2007/05/21(月)
ペットフード業界のずさんさが明るみになりました。
以前からペットフード業界のダメな部分として、メーカーと製造委託している会社の関係を指摘する声はありましたが、リコール事件でやっとメディアで大きく取り上げられるようになりました。
USA TODAY
Pet food probe: Who was watching suppliers?
誰がサプライヤーを見張っているか?
(以下要約です。変なところがあったらすみません)
いくつかのペットフード会社は、自社で販売している製品に実際に何が含まれているのか、原料がどこから来るのか知らないと述べている。
5つのペットフード会社が、製造会社が同意無しにライスプロテイン濃縮物を加えたと発表した。これは、リコールが起こったから明るみに出た。
(※アメリカンニュートリション社の事。リコール事件が無ければ、ずっと続けられていたという事です)
あるメーカーは、製品を自分たちで作るわけでも、委託製造会社を監視してもいない。そして原料の供給元を選んだり点検もしていない。
・ブルーバッファローについて
多くのブランドがリコールされ始めた当初、ブルーバッファローは「自社は小麦グルテン不使用」と新聞一面に安全性をアピールする広告を出しましたが、その後リコールする事になりました。
ブルーバッファローは製造委託したアメリカンニュートリション社がライスプロテイン濃縮物を中国から輸入している事を知らなかったと言っています。そしてアメリカンニュートリション社は、ブルーバッファローが出したレシピ通りに製造していなかった。(勝手にライスプロテイン濃縮物を追加していた)
・メーカーの動き
ブルーバッファロー
アメリカン ニュートリション社との契約を辞め、今後発注しないそうです。
ロイヤルカナン
中国産の植物性たんぱく質(小麦グルテン、ライスプロテインを含む)を使用しないと公約した。
アイムス
供給元をチェックし、承諾するまでは勝手に変更させない。
ナチュラルバランスとダイヤモンドペットフーズ
製造委託している会社から、生産記録(ペットフードの成分を含む)を要求する。
メーカーによっては、自社での製造に切り替える動きもあるようです。
ナチュラペットプロダクツ
Natura Pet Products, (Innova and Evo brands)
缶詰用の工場を建てるか購入すると公表しました。
全てのメーカーが今後の対応を発表した訳ではありませんが、大手になるほど委託している業者と手を切れない・・・という気がします。
USA TODAY
P&G vows more control of Menu Foods
P&G(アイムス)はメニュー・フーズ社をそのまま使い続けると発表。
もっと監視するとは言っていますが・・・
P&Gはメニュー・フーズ社の一番のお得意先のようです。
2006年のメニュー・フーズ社の収入の21%は、P&Gから得ているとのこと。
P&Gはリコールによる販売への影響について語っていないそうです。
USA TODAYの世論調査によると、ペットの飼い主の17%がリコールによりフードを変えたと答えています。
17%しか変えていないといのは逆に驚きましたが・・・
今後メーカーがどう改善への対処をするかも見落とせない部分ですね。