2012/07/31(火)
"NBC Bay Area"から、中国産チキンジャーキーを食べた犬が48時間以内に死亡したというニュースと、FDAに寄せられた最新の苦情リストが公開されています。
FDA Dog Treat Warning: Necropsy Results on Bay Area Dog
中国産と言っても販売元はデルモンテ、ネスレ、ピュリナと言った有名ブランドが多数含まれています。
最も苦情の多いブランド
WAGGIN TRAIN 69件
KINGDOM PET 35件
SMOKEHOUSE 11件
CANYON CREEK 9件
BESTRO 8件
報告の多い症状
嘔吐 129件
下痢 99件
食欲の変化 81件
活動レベルの変化 89件
死亡報告のあるブランド
KINGDOM PET 1件
MILO'S PET 1件
KINGDOM PET 6件
FDAは2007年からチキンジャーキーに関する苦情を消費者から1800件以上受けています。FDAは検査を続けてはいますが、未だに原因を特定できないため、どのメーカーもリコールを行っていません。
被害にあったペットのオーナーが集まり、デルモンテ、ネスレ、ピュリナに対して2つの集団訴訟を起こしています。そして少なくても小売店がFDAの警告を製品の近くに掲示することを願っています。
2012/07/31(火)
※"キャットフード"から"ネコ用おやつ"に訂正しました。
FDAの告知ではジャーキーとは書かれていなかったのですが、以下のサイトの情報によると、リコール対象製品はネコ用のチキンジャーキーとありました。
Arthur Dogswell recalls cat chicken jerky treats, FDA says
このメーカーは、犬用のチキンジャーキーも販売しており、生産は中国とのことです。話題になっている中国産のチキンジャーキーと関連があるのか疑われましたが、犬用には問題は見つからなかったそうです。
リコール対象ブランド
Catswell Brand
VitaKitty Chicken Breast with Flaxseed and Vitamins
ロット:SEW12CH032701/03c、SEW12CH032702/03c
賞味期限:09/10/13、 09/11/13
>FDAからの告知
>パッケージ
>プロピレン・グリコールとは(Wiki)
高レベルのプロピレン・グリコールは、猫へ深刻なダメージをもたらす危険があります。
このリコールによる健康被害の報告はありません。
アメリカではFDAが市販されているペットフードからランダムにサンプルテストを行い、問題を発見しリコールにつながるというケースがあります。
消費者から情報を集めるために、ペットフード専門の窓口も設けています。
日本では2009年6月にペットフード安全法が施行されました。少量のサンプルテストを行い、それを発表してはいますが、消費者から情報を集めようとする積極性はありません。消費者目線では機能しているのかどうか分からない安全法です。
FDAも万能ではなく、最近は中国産チキンジャーキー問題への対応で大きな批判を浴びていますが、日本で同じ問題が起こっても、問題があることさえ消費者は気付かないままになるのではないかと心配です。
2012/03/19(月)
2007年に最初の報告があり、2011年11月にFDAは再度警告を発しました。しかし原因は特定されておらず、リコールも行われていません。
未だにジャーキーが原因と思われる報告が相次いでいるため、FDAにさらなる対処を求めるニュースが多く報道されるようになりました。
■2012/3/19 追加
FDAから入手したという文書を公表したニュースがありましたが、これにはブランド名が3つあがっていました。その製造元はネスレとデルモンテです。
アメリカ向けとして中国で製造されている製品のようですが、この手の製品はパッケージだけ代えて色んな国に販売される事があるので、日本にも入っていないか心配です。
3 big brands may be tied to chicken jerky illness in dogs, FDA records show
(以下抜粋)
中国製チキンジャーキーが原因と思われる謎の病気は少なくても600匹の犬で報告され、連邦の厚生省職員は消費者に協力を求めた。
msnbc.comがFDAから入手した文書によると、ペットの飼い主と獣医から集められた苦情から、メジャーな3つのブランドが腎不全や慢性的な疾患と関連があるとされている。
昨年FDAによって記録された"プライオリティ1"の22のケースについて
13のケース
製造元:ネスレ ピュリナ
Waggin’Train
Canyon Creek Ranch jerky
3つのケース
製造元:デルモンテ
Milo’s Kitchen Home-style Dog Treats
(残りは1ブランドか、ノーブランド)
"プライオリティ1"とは、11歳以下の犬で病気の記録のカルテが参照可能な場合としています。
これに対し、ネスレとデルモンテは、どの商品にも問題は発見されていないと反論しています。
■2012/2/17
>Concerns about potentially tainted pet treats
>Brown, Kucinich Seek FDA Action to Protect Dogs From ‘Tainted’ Treats
FDAの公表では特定のブランド名は出していませんでしたが、上記ニュースではWaggin Trainというブランド名の製品が取り上げられています。
これに対し、Waggin Trainの販売元は安全を主張しています。
■2011/11/18
FDAからの告知
FDA Continues to Caution Dog Owners About Chicken Jerky Products
ここ12ヶ月の間に、中国から輸入されたチキンジャーキーが原因で病気なったという苦情の数が増加傾向にあります。
これらの苦情は、飼い主と獣医からFDAに報告されたものです。
FDAから中国製チキンジャーキーへの最初の警告は2007年9月です。
その後、2009年の後半から2010年にかけて苦情は減少傾向にあったが、再度上昇傾向にあるため、FDAは今回の警告を発表。
もしチキンジャーキーを与えた時は、以下の症状が数時間から数日の間に現れないか犬を観察するように飼い主にアドバイスをしています。
予期される症状
・食欲減退
・活性低下
・嘔吐
・下痢(ときに出血性下痢)
・水分摂取の増加、尿の増加
激しい症状を伴う場合や、24時間以上持続する場合は獣医に相談する事を勧めています。
予期される検査結果
・血液検査で腎不全(尿素窒素とクレアチニンの増加)
・尿検査でファンコーニ症候群(ブドウ糖の増加)
大半の犬は回復したが、死亡した報告もあるるとFDAは伝えています。
しかし、これまでに病気になった決定的な原因は分かっていません。
FDAは大規模な科学的テスト、微生物のテストを続けていますが、汚染物質の特定をできていません。
また今回の発表でもメーカーや製品名までは公表されていません。
上の記事にもある通り、FDAからのこの警告は2007年9月が最初です。
当時ブログでも紹介しています。
アメリカ:中国製チキンジャーキー問題
この時の発表では、70以上の苦情が寄せられ、病気になった犬は95匹以上と言われています。
原因が分からないこともあり、当時はジャーキーの安全な1日分の給与量について見直すという話も出ていました。
アメリカでは4年が経過した今でも原因不明のまま苦情が寄せられ続けているという状況です。
日本にも中国製ジャーキーは輸入されていますし、FDAの調査の行方が気になります。
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