Blue Buffalo to pay $32 million to settle lawsuits by pet owners
訴訟内容は、肉副産物などを含まないナチュラルフードとして販売している製品をテストしたところ、肉副産物を検出。また、穀物フリーとして広告している製品には、米とトウモロコシが含まれていたというものです。
ブルーバッファローは和解のため3200万ドルを支払うことに合意はしたものの、和解は訴訟の出費を抑えるためであり、訴訟内容は虚偽だと主張しています。
今年1月にも訴訟のニュースがあったばかりですが、訴訟はラベル表示や広告に関するものが多いです。
ペットフードの原材料に対する明確な法律がないため、訴訟に持ちこめる対象が絞られた結果と思われます。
古くは2009年にウェルネスが集団訴訟を起こされています。
>ウェルネス(ドッグフード) への集団訴訟
2014年にはダイアモンド社が集団訴訟に和解しましたが、ダイアモンド社も和解はするが、訴えは事実ではないと主張しています。
>ダイアモンド社への集団訴訟 和解へ
和解はするが訴訟内容は認めないというのは、メーカーの常套手段ですね…。
Pet food makers sued over allegedly mislabeling products
ビタミン・ミネラル・アミノ酸などは輸入品にもかかわらず、ラベルにはアメリカで生産したかのように表示されているというのが理由です。
訴訟を起こしたランドル氏は、それらは以下の法に違反しているとしています。
・不正競争防止法
・消費者法的救済法
訴訟を起こされたメーカー
キャスター&ポラックス (Castor and Pollux Natural Petworks LLC)
ネスレUSA (Nestle USA)
ネスレピュリナペットケア (Nestle Purina Petcare)
原告の要求
差し止め命令と、弁護士費用、起訴費用など併せて500万ドル以上など
訴えた犬の飼い主は3000人以上になります。
■訴訟対象のブランド (ドッグフード)
ピュリナ ベネフル
・Purina Beneful Original
・Purina Beneful IncrediBites
・Purina Beneful Healthy Growth for Puppies
・Purina Beneful Healthy Smile
・Purina Beneful Healthy Fiesta
・Purina Beneful Healthy Radiance
・Purina Beneful Playful Life
■症状
胃炎、内出血、肝臓の異常、嘔吐、下痢、脱水、体重減少、腎不全など
■原因 (※立証はされていません)
主にプロピレングリコールとマイコトキシン
Lawsuit: Purina Beneful dog food poisoning, killing thousands of pets
訴訟:ピュリナのドッグフード"ベネフル"が、何千ものペットの中毒や死の原因に
(以下抜粋)
訴訟はフランク・ルシードさんの3匹の犬が焦点となっています。
ルシードさんは自宅を改修する間、3匹の犬をそれぞれ異なった環境に移し、ベネフルを与え始めた。
その後、4歳のジャーマンシェパードの毛が抜け始め、異臭がするようになる。
すぐに病気となり、内出血をしていて肝臓に異常が発見される。犬は助かりましたが、完全に回復すまでには至っていない。
5日後、8歳のイングリッシュ・ブルドッグが同じ内出血と肝臓の異常が原因で、庭で死んでいるのが発見されました。
3匹目の11歳のラブラドールも体調がよくなく、検査中となっています。
この4年間でベネフルには、同じような症状を持つ犬の飼い主から3000以上の訴えがあり、訴訟ではベネフルに含まれていた毒(主にプロピレングリコールとマイコトキシン)が原因だとされています。
マイコトキシンはベネフルの材料となっている穀物が原因となります。
そして報告されている犬の症状は、マイコトキシンの中毒の兆候と一致していると、訴訟で主張しています。
プロピレングリコールはFDA(アメリカ食品医薬局)が認可した添加物だとネスレ・ピュリナ側は主張します。しかし、同じ化学成分が不凍液でも見つかっており、過去に懸念されていたことがあります。
ネスレ・ピュリナは自社ブランドに問題がないとして訴訟に立ち向かう構えで、最近2件の集団訴訟があったが、2件とも不起訴で終わったことを伝えています。
ネスレ・ピュリナがNBCニュースに伝えた発言は、今回のことをネット上の噂がもたらした結果として軽視しているものだった。
「ベネフルは他のペットフードと同様に、ソーシャルメディアで偽の情報が話題になる。オンライン上の投稿は、根拠がない情報であり、ベネフルの顧客への不当な懸念と混乱をもたらす。」
ルシードさんと、集団訴訟を起こした他のメンバーが求める懲罰的損害賠償に対して、ネスレ・ピュリナは4月2日までに応じなければならない。
まだ裁判が始まっていないため、原因の立証などはこれからです。
過去に不起訴となった訴訟のうちの1件は、中国産ジャーキーによるものです。
>中国産ジャーキー問題について
中国産ジャーキーでは、FDAの調査でも原因が不明だったため立証が困難でしたが、今回は問題の可能性とされる成分が2つ挙げられています。
病気や死と製品の因果関係が証明されていない段階とはいえ、3000人以上の飼い主が訴えを起こしているのに、ネット上の噂やデマが元になっていると主張するネスレには驚きです。
FDAは係争中の訴訟について、調査をしたかどうかのコメントを控えると発表しているため、詳細が分かるのは公判が進んでからになりそうです。
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