2007/05/31(木)
2007年3月17日 (米16日)
2月から犬や猫の腎不全が相次いで報告され、調査の結果カナダの大手ペットフード製造会社であるメニュー・フーズ社製の製品が原因と分かる。
メニュー・フーズ社は12月3日から今年3月6日に集荷されたペットフードのリコールを発表。米カンザス、ニュージャージー州の2工場で製造された犬猫用フードを対象とした。
2007年4月10日
アメリカだけではなく、カナダの工場でも汚染された小麦グルテンが発見される。
これにより、メニュー・フーズ社のリコール数はさらに拡大した。
Recall expands to include pet food in Canada (英語)
■リコールの規模が大きくなった理由 ~メニュー・フーズ社とは~
メニュー・フーズ社はペットフードのメーカーから委託され製造する会社(OEMメーカー)です。北米最大のペットフード製造会社で、小売メーカーの上位20社のうち、17社の製造を受け持つほどです。被害が多数のブランドに影響したのもそのためです。
■原因について
4月に入り、中国から輸入された小麦グルテンにメラミンが混入していた事が分かる。その後、ライスプロテイン濃縮物からもメラミンが発見される。
メラミンが混入されていた理由は、メラミンを混ぜると原材料のタンパク量(窒素含有量)が多く計測され、品質を良く見せかける事ができるためとされる。
メラミンの他に、シアヌル酸も問題となる。シアヌル酸もメラミンと同じ理由で意図的に混ぜられていた可能性が高い。
中国はメラミンを意図的に加えた事を否定していましたが、後に認めました。[参照]
■多くの被害を出した理由
5月の初めに、メラミンとシアヌル酸の相互作用で、致命的な腎臓障害を起こしたという結果が分かりました。
CNN (2007/5/2)
Mix of chemicals may be key to pet-food deaths (英語)
ペットフードによる死は、化学物質の混合が主因と思われる。(以下要約)
実験によると、試験官の中の猫の尿に、メラミンとシアヌル酸を合わせると結晶が形成される事が分かった。 この結晶が腎不全の引き金になったと思われる。
医師が腎臓障害の猫の外科手術を行ったところ、通常の結石はなく、代わりに尿管がメラミンによる結晶で完全にふさがれていた。
FDAは、中国から輸入されたライスプロテインと小麦グルテンがメラミンとシアヌル酸の両方に汚染されていた事を確認した。
■メニューフーズ社以外にも拡大
メラミン汚染の原材料を輸入販売した会社が他にも発見され、リコールされるブランドはさらに拡大しました。
リコールブランド一覧
■二次汚染の拡大
二次汚染とは、小麦グルテンやライスプロテイン不使用にもかかわらず、同じ工場でメラミンに汚染された原材料を使用していたため、製品がメラミンに汚染されていた事です。
これにより、リコール数はさらに拡大。
~新たな問題~
■リコールリストにない商品からシアヌル酸の検出
個人でペットフードの検査を行った人から、リコールリストにない商品からシアヌル酸されたという報告がアメリカの個人のブログに発表され、注目を集めています。
■アセトアミノフェンの検出
6月の初めに、個人でフードの検査を行った人からアセトアミノフェンが検出された事が分かる。その後、FDAの調査により、リコールされていない複数のサンプルから検出された事が認められる。
6/8現在、アセトアミノフェンの混入した理由やルートは全く分かっていません。
現在FDAはアセトアミノフェンの調査を行っています。検査を行った研究所は、陽性反応のでたブランドを公表していません。そのためアセトアミノフェンの検出は、大きな波紋を呼んでいます。
個人で検査結果を発表した人からは、サイエンス・ダイエットの一部から検出されたとして、検査結果の用紙を公開しています。
アセトアミノフェンとシアヌル酸の問題
日本ではほとんど報道していません。たまにニュースで流れても、アメリカで起こった事件として、日本での危険性については全くふれません。(並行輸入している人への配慮など)
ただ、日本だけが特別報道していないという事ではなさそうです。
香港やヨーロッパ在住の方からメールを頂きましたが、日本と同じ状態とのこと。
(日本はアメリカからのペットフードの輸入が多いため、他国に比べてもう少し報道が多くないといけないとは思いますが・・・)
テレビで目にするのはヒルズやアイムスの新しいCMばかり。アメリカではリコールしているのに、自粛もなし。いくら製造ラインが違うとはいえ、同じメーカーで起こった事件なのに・・・。 日本の代理店はあてにできないのが現実です。
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